陸前高田市立博物館救出作業

プロジェクトについてAbout Us

東日本大震災発生後、沿岸部が大規模な津波被害を受けた岩手県では、全国の専門機関が連携して被災した文化施設や収蔵資料等の再生に向けた取組を支援するとともに、その取組を通して得た知見やノウハウを次の災害に備えて共有することを目的とした各種事業を行ってきました。

令和4年度には、こうした取組の成果を礎として、風化に抗しつつ、東日本大震災を経験した東北から、国内の博物館等文化施設及び文化財等の防災力向上に向けた機運を喚起していくことを目的として「東北発・博物館 文化財等防災力向上プロジェクト」が立ち上げられました。中核館である岩手県立博物館をハブとして、今なお被災資料の再生に向けた取組を続ける陸前高田市立博物館や、同じく東日本大震災の影響が色濃い土地に生まれた石巻市博物館、とみおかアーカイブ・ミュージアム、さらに東日本大震災後に発生した自然災害で被災した文化財の再生に挑む川崎市市民ミュージアム・長野市立博物館、そしてこうした全国の博物館の支援を一貫して行っている日本博物館協会、文化財保存支援機構といった各地の機関が連携することで各種事業を展開しています。

このホームページは、本プロジェクトの活動成果を発信するとともに、博物館をはじめとする文化施設や、文化財等の防災に関心のある方が、関連する各種の情報にアクセスできるプラットフォームの形成を目指して設けられたものです。

東北地方を中心に、博物館・文化財等の防災をめぐる最新の動向についても随時ご紹介してまいります。新たに掲載すべき情報をご存知の方は実行委員会事務局までお気軽にご連絡ください。

十二年が経過しようとする今なお、東日本大震災被災地において復興はまだ道半ばであり、その完遂に向けた努力が連日続けられています。本ホームページでご紹介するその努力の一端が、次なる災害への備えとなることを祈念いたします。

令和5年2月
東北発 博物館・文化財等防災力向上プロジェクト実行委員会会長
岩手県立博物館長  髙橋 廣至